この帯に描かれている柄・文様
Japanese patterns and motifs used in this obi
御簾
Bamboo blind
文字を見ておわかりかもしれませんが、御簾とはすだれのことです。平安時代の建築様式である寝殿造りにおいて母屋と廂の間にかけられたり、日除けとして牛車に用いられたりしました。継ぎ目には美しい布と紐が使われ、江戸時代には「几帳」「檜扇」とともに王朝文化の象徴としても描かれました。
流水
Running water
着物や帯に描かれる流水は、多くが小川を表していると考えられていますが、一方で、一滴の水が海に注ぐまでを人生に見立てるなど、多様な表現を見ることもできます。「茶屋辻」や「御所解き文様」などの風景文様、「杜若」や「菖蒲」など、流水との組み合わせが定番となっている文様は数多くあります。
紅葉・楓
Maple
楓と紅葉は、同じ「カエデ」に分類される植物の呼び名で、厳密な決まりがある訳ではないようです。紅葉を観賞するようになったのは平安時代頃からのようで、「紅葉を見て夏に疲れた体に生気を取り込む」という中国の思想が伝わったことがきっかけになったという説があります。