この帯に描かれている柄・文様
Japanese patterns and motifs used in this obi
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御簾
Bamboo blind
文字を見ておわかりかもしれませんが、御簾とはすだれのことです。平安時代の建築様式である寝殿造りにおいて母屋と廂の間にかけられたり、日除けとして牛車に用いられたりしました。継ぎ目には美しい布と紐が使われ、江戸時代には「几帳」「檜扇」とともに王朝文化の象徴としても描かれました。
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鳳凰
Phenix
古代中国で、龍・亀・麒麟と並び四瑞と称された、めでたいときにやってくる天の使いである鳳凰。日本で文様として使われるようになったのは飛鳥時代で、中国から伝わった鳳凰文を基本に、工芸品などに描かれるようになりました。中国の鳳凰文が時代により表現が変化しているのに対し、日本は時代性があまりなく、他の文様と組み合わせて用いられることもあります。
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紅葉・楓
Maple
楓と紅葉は、同じ「カエデ」に分類される植物の呼び名で、厳密な決まりがある訳ではないようです。紅葉を観賞するようになったのは平安時代頃からのようで、「紅葉を見て夏に疲れた体に生気を取り込む」という中国の思想が伝わったことがきっかけになったという説があります。