この帯に描かれている柄・文様
Japanese patterns and motifs used in this obi
菊
Chrysanthemum
日本の花というイメージが強い菊ですが、奈良時代から平安時代にかけて中国から渡ってきたといわれています。ほどなくして宮中行事に用いられるようになり、南北朝時代には皇室の御紋となりました。格式ある日本の秋の花というイメージは、長い歴史の中で培われてきたものなのです。
蝶
Butterfly
歴史のある文様で、奈良時代に中国から伝わり、平安時代に有職文様として公家装束などに取り入れられたところから、広く知られるようになったといわれています。「蝶」の中国語での発音が、80歳を意味する語と同じ音であることから、長寿の象徴とされてきたようです。
ヱ霞
Haze
霞文様よりも、デフォルメして霞を表現した文様。中に季節の草花を入れたもの、松竹梅や宝尽くしなどの吉祥文様を入れた表現もよく見られます。また、横長のふくらみのあるものを4つつなげたものは「春霞文」と呼ばれます。
波
Wave
「大波」「小波」「波頭」「白波」「立浪」「荒波」「遠波」「片男波」「怒濤」など、形を変えながら寄せては返す波を表現した文様は多種多様です。また、千鳥、燕、兎、舟、月、龍などと組み合わせて描かれることも多く、さまざまな表現の中で見ることができます。