この帯に描かれている柄・文様
Japanese patterns and motifs used in this obi
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蝶
Butterfly
歴史のある文様で、奈良時代に中国から伝わり、平安時代に有職文様として公家装束などに取り入れられたところから、広く知られるようになったといわれています。「蝶」の中国語での発音が、80歳を意味する語と同じ音であることから、長寿の象徴とされてきたようです。
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菊
Chrysanthemum
日本の花というイメージが強い菊ですが、奈良時代から平安時代にかけて中国から渡ってきたといわれています。ほどなくして宮中行事に用いられるようになり、南北朝時代には皇室の御紋となりました。格式ある日本の秋の花というイメージは、長い歴史の中で培われてきたものなのです。
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桜
Cherry blossom
貴族が桜の観賞を楽しむようになったのは平安時代、以降文学や美術にも登場するようになりますが、それまでは梅の観賞の方が一般的だったといわれています。山桜をモチーフとしたものから始まり、八重桜、枝垂れ桜と種類が増えていき、江戸になる頃には「桜川」や「桜楓」、「花筏」などの組み合わせ文様も見られるようになりました。