■ 唐織|向かい鳳凰花文 ■

この帯に描かれている柄・文様

Japanese patterns and motifs used in this obi

Chrysanthemum

日本の花というイメージが強い菊ですが、奈良時代から平安時代にかけて中国から渡ってきたといわれています。ほどなくして宮中行事に用いられるようになり、南北朝時代には皇室の御紋となりました。格式ある日本の秋の花というイメージは、長い歴史の中で培われてきたものなのです。

鳳凰

Phenix

古代中国で、龍・亀・麒麟と並び四瑞と称された、めでたいときにやってくる天の使いである鳳凰。日本で文様として使われるようになったのは飛鳥時代で、中国から伝わった鳳凰文を基本に、工芸品などに描かれるようになりました。中国の鳳凰文が時代により表現が変化しているのに対し、日本は時代性があまりなく、他の文様と組み合わせて用いられることもあります。

Empress tree

清少納言が枕草子にも記した、淡い紫色の花が特徴的な桐。古来中国では空想上の鳥「鳳凰」の棲む木として尊ばれ、その故事が日本にも伝わり、吉祥文様として中世以降天皇の御衣に使われるようになりました。織田信長や豊臣秀吉などにも紋章として用いられ、現在の日本政府の紋章にもなっている植物です。

Diamonds

縄文時代の土器にも刻まれるなど古くから描かれてきた文様で、平安時代に有職文様として公家装束に用いられるようになり一気に広まったと考えられています。連続して配した「斜め格子」や「襷文様」、羽を広げた鶴が向かい合い菱形をつくる「向い鶴菱」、4つの菱形で構成された「四菱」など、多様な表現を見ることができます。

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