この帯に描かれている柄・文様
Japanese patterns and motifs used in this obi
菊
Chrysanthemum
日本の花というイメージが強い菊ですが、奈良時代から平安時代にかけて中国から渡ってきたといわれています。ほどなくして宮中行事に用いられるようになり、南北朝時代には皇室の御紋となりました。格式ある日本の秋の花というイメージは、長い歴史の中で培われてきたものなのです。
秋草花
Autumn flowers and plants
桔梗、萩、女郎花、撫子、葛、芒、藤袴の秋の七草に、竜胆や菊など、秋の野原に咲く草花を取り混ぜて文様化したものです。七草の中から1種類だけを用いたものを、秋草文様と呼ぶこともあります。残暑が厳しい時期に気分だけでも秋を味わおうという思いから、夏の着物や帯、浴衣などにも用いられてきました。
雲
Cloud
雨や雪を降らせ、天候を左右する力を持つ雲には、神や霊が宿っている。昔の人々は、そう考えていたといいます。雲への畏敬の念を文様として表現し身に纏うことで、その特別な力にあやかりたい、そんな思いが込められた文様なのかもしれません。