今回は、ご注文いただいたカスタムメイドスモールトート【帯地:春庭】の製作について深掘りしてご紹介したいと思います。
深掘り内容
- この商品の帯地について
- 製作に使用した材料
- 作業工程
1.この商品の帯地について
今回お選びいただいた帯地
- 帯地名:春庭(しゅんてい)
- 帯ランク:松ランク
- 素材:正絹
- 形:袋帯
- 製法:唐織
- 合わせる着物:第一礼服
- 柄・文様:
- 竹(地下茎を張り巡らせ次々と筍を生じる生命力の強さ、節があり青々とした見た目から、「威勢がよく、節度があり、清浄」とされる竹。室町時代よりたくさんの人に親しまれ、江戸時代にはさまざまな表現として展開され現代に受け継がれています。)
- 梅(奈良時代のはじめに中国から渡ってきた梅は、厳寒の中いち早く花を咲かせることから、忍耐力や生命力を象徴する花として愛好されてきました。学問の神様、菅原道真公が梅の歌を詠んだことから、天満宮の社紋にも用いられています。)
- 菊(日本の花というイメージが強い菊ですが、奈良時代から平安時代にかけて中国から渡ってきたといわれています。ほどなくして宮中行事に用いられるようになり、南北朝時代には皇室の御紋となりました。格式ある日本の秋の花というイメージは、長い歴史の中で培われてきたものなのです。)
- 牡丹(幸福、富貴、高貴を象徴する「百花の王」牡丹は、平安時代から着物の紋様として用いられてきました。単体のモチーフだけでなく、室町時代から近世に至るまで多くの人に好まれた、唐草と組み合わせた「牡丹唐草文様」など、さまざまな形で表現されてきた植物です。)
- 杜若(燕子花と書かれることもある、5~6月にかけて濃い紫色の花を咲かせる植物です。平安時代から文様として描かれ、着物だけでなく、詩歌や絵画、工芸品などさまざまなものに見ることができます。湿地に生えることから水と一緒に描かれることも多いモチーフです。)
- 桐(清少納言が枕草子にも記した、淡い紫色の花が特徴的な桐。古来中国では空想上の鳥「鳳凰」の棲む木として尊ばれ、その故事が日本にも伝わり、吉祥文様として中世以降天皇の御衣に使われるようになりました。織田信長や豊臣秀吉などにも紋章として用いられ、現在の日本政府の紋章にもなっている植物です。)
- 蘭(蘭花文と呼ばれることもあり、松・竹・梅と組み合わせて「四友」、竹・梅・菊と組み合わせて「四君子」と称される文様です。中国産の蘭が描かれることが一般的でしたが、現在は胡蝶蘭やカトレアなどの洋蘭が用いられることもあります。)
- 流水(着物や帯に描かれる流水は、多くが小川を表していると考えられていますが、一方で、一滴の水が海に注ぐまでを人生に見立てるなど、多様な表現を見ることもできます。「茶屋辻」や「御所解き文様」などの風景文様、「杜若」や「菖蒲」など、流水との組み合わせが定番となっている文様は数多くあります。)
2.製作に使用した材料
- 帯地(裏地、芯を外したもの)
- コットン地(表底パーチ、ポケット用:ブラック。インナー:ホットピンク)
- 帯裏地(インナー上部パーツ、ブラック)
- ファスナー(18cm、ブラックにアンティークゴールド)
- バッグ芯(1.1mm、スライサー)
- 底板(1mm、PPシート)
- 持ち手(48cm、黒、アンティークゴールド金具)
- マグネットホック(アンティークゴールド)
- ブランドタグ
3.作業工程
- 帯地の切り離し(通常帯は、表地、裏地、芯の3パーツで構成されています。まずそれらを丁寧に糸を外していきます)
- 柄どり(帯地のどの部分を使用するか決めます。取る場所によって印象が大きく変わるのでとても重要な工程です。今回はお任せで柄どりをさせて頂きましたが、何パターンかの柄取りをご提案させていただき、お選びいただくことも可能です)
- 裁断(帯地、インナー、底パーツ、バッグ芯、それぞれを型にあわせて裁断します)
- ポケット用の生地にブラントロゴとファスナーを縫い付けます。
- 【3】のポケットをインナー用の生地に縫い付けます。
- 【4】のインナー生地とインナー上部の生地を縫い付けます。
- 帯地に芯を貼り付けます。
- 【4】と【6】を縫い合わせます。
- 底部分とマチの幅に合わせて縫い付けて、余分な部分を裁断します。
- 裏表をひっくりかえし、底板を貼り付けます。
- ひっくり返すために開けていた部分を縫い合わせます。
- 持ち手を縫い付けます。
- 完成!
全行程を職人が1つひとつ手作業で丁寧に仕上げます。
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